ゲッサンミリオン続編ってありえへんか?
・月間少年サンデー・アイドルマスターミリオンライブ!
連載が始まるや否や、アイドルマスターファンの話題を掻っ攫ったとある漫画があります。
それは「月間少年サンデー・アイドルマスターミリオンライブ!」です。
ですが、2016年の暮れに単行本最終巻が発売され、とうとう終わってしまいました。静香と未来で本気で本音でぶつかり合って、その間を翼が自由に動いて、シアターのアイドルも他事務所のアイドルも出てきて、とにかく本当に最後まで激アツな展開でした。
私の「続いてほしい」という願望にこんな記事を書かされることを強いられました。
ゲッサンミリオン好き・・・続いてほしい・・・
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映画でもドラマでも何でも物語のあるものには、物語の核心的なテーマを描かんとするパートの始まりと終わりにある程度の様式美があると思うんですよ。モブが意味ありげに「この王国では何かが腐っている……」とか言ったりする、いわゆるフラグです。
そして作者は、終わりで「主人公が選んだ/勝ち取った世界の結末」を描くものです。「君の、名前は?」とか、「ネットは広大だわ……」とか、「めんま、みぃつけた!」とかです。これがフラグの回収です。こんな場末のブログが名作ばかり引用したことについて怒っていただいても構いません。
連載漫画はよく、読者を飽きさせないために数話ごとに「行って帰ってくる」を繰り返すストーリーを取りますが、「行って帰ってくる」なかでもちゃんと大きなストーリーを形成する、言わば入れ子式のストーリーになっています。(未来の入所(~§6)→静香とのイザコザ(§7~§10)→アイル(§11~§14)……みたいな)
ゲッサンミリオンで私が問題にしたいのは大きなほうのストーリーで、これがまだ続けられるのでは? むしろ続くのでは? としか思えないのです。
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ゲッサンミリオンの大きなストーリーは、静香が武道館ライブに至るまでの「静香の物語」として構成されています。
つまり、始まりのフラグがあのジャングルジムの上で「武道館いっぱいのファンの前で歌うんだ」と語ったシーンでバキバキに立って、彼女は武道館でその夢をきちんと果たします。
そして静香は、「父親ともう一度話し合ってアイドル続けたい」ことを選び、その世界の結末は未来の「静香ちゃん!おかえり!!」に集約されています。静香はちゃんとお父さんを説得するんです。「ただいま」と静香が答えるのは、彼女の選択の結末を表していますよね。
ゲッサンミリオンはこれできれいに終わってる、確かにそれはそうです。
でもミリオンライブは静香だけのものじゃありません。むしろセンターは春日未来ちゃんなわけですが、彼女のゲッサンミリオンでの進展はどうでしょうか。
「半年前の盆踊りが、今日はちゃーんとアイドルやった」とは奈緒の評ですが、彼女は5巻(第21話)にしてようやく一人前になれたという進み具合。アイドルの卵は卒業したかもしれませんが、まだまだかわいいヒヨコちゃんです。
しかも、プロデューサーに対し「私、トップアイドルになりたいです。」と決意を新たにしています。2巻(第10話)にて静香が未来はトップを目指すだろうと言ったフラグがようやく回収されたんです。彼女のアイドル道はまだ始まったばかりです。
皆さんに思い出してほしいのは、ゲーム「アイドルマスター」シリーズの最終目的です。どのプラットフォーム・ナンバリングでもだいたいは「称号"アイドルマスター"の獲得」ですよね。
つまり、アイドルマスター世界におけるエンディングはIUなりIAなり、最高の舞台への挑戦結果こそがふさわしいはずです。
まず静香が武道館に立った企画が「新人アイドルを競わせる」もので、二巻の志保が言う「私負けるのは嫌いなの。」から既に影を見せていたアイドル世界の競争は、話数を重ねるごとに強調されていきます。フェス前後では事務所内での競争、静香の合宿所入り以降は他事務所のアイドルとの競争もクローズアップされて、それはそれは熱く展開し武道館に繋がっていくわけですが、とにかくゲッサンミリオンは昔のゲームに寄せた雰囲気です。SPならパーフェクトサン。まさに王道。
未来にとって、そういった競争の世界は静香を通して少し目に入ったばかり。何なら、「トップアイドルになりたい!」なんて、競争の世界に入りたいと表明したばかりです。そんなフラグを立てておいて終わる漫画って、あるものでしょうか?(反語)
それに、最後の最後に歌うのがThank youじゃなくてWelcomeなのも示唆的じゃないですか?
未来が競争の世界に入っていく「未来の物語」、Welcome編とでも題して続編でやるの……あると思います!!
(マジでやってくれ、頼む)
めんどくさいオタクなので「ゲッサンミリオンの静香は欠損を抱えた放浪型主人公に類型できる??!!エドワード・エルリックとかと似てる!」とか言ってみたいんですが、他人のモノサシでうまく論じられる自信がないので止めておきます。どっちだよだよね、めんどくさいよね、ごめんね……